ロビーの絵を入れ替えました
画廊の方と作家さん本人が直接運んできてくださいました。
陽のあたる場所
水中の生き物たちを描き、和紙を重ね、更に水草の形に切り抜いた親和箔と呼ばれる様々な色の箔、墨と岩絵の具で水面の虫たちが加わっています。
ハグロトンボの羽や体(尾の部分は親和箔を使っています)、点と思っていたら本当に小さな小さなハエたち。
前から、横から眺めるたびに様々な発見が出来る作品です。
「私の仕事は、下地にすべて銀箔をはっています。その上に絵具の仕事をして、典具帖紙という薄い紙を貼り、またその上に絵具の仕事をする、紙と絵の具を何層も重ねて空間を創っていきます。
そうする事で、自然からできた素材の温かみを生かし、透明感のある空間を創っています」
眠れない夜
「本来なら冬眠しているはずのカエルたち。眠ることが出来ずに必死に生きていこうとする姿を、現代社会に生きる私達に重ね合わせて様々な問題を投げかけてきます。大きく重く感じられる問題を、作家特有の優しい眼差しで描き出し、未来への希望に繋げていこうとする作品です」
と説明していただきました。インスピレーションで気に入った作品にこんな奥深いメッセージがあると知り、ますます好きになる一枚です。
神戸智行(かんべともゆき)さん
1975年岐阜県生まれ。県立加納高校卒、多摩美術大学大学院日本画専攻を修了
第9回佐藤国際文化育英財団奨学生に選出
2009年より文化庁在外研修員として1年間ボストンで研修
高島屋にも入っている「鈴懸」の紙は神戸さんの図案。太宰府天満宮の襖絵も手掛ける予定
ギャラリー広田美術
http://www.hirota-b.co.jp