不妊治療の種類
不妊治療の方法
不妊治療には段階(step)があります。
不妊治療は大きく分けると、一般不妊治療と高度生殖補助医療の2つがあります。Step upの希望がない方、いつからStep upしようと考えておられる方、治療終了の時期を決めておられる方、様々な思いがあると思います。
検査や治療結果をもとに、ご本人やパートナーのお気持ちを確認しつつ、治療をすすめていきます。
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STEP1
タイミング療法
保険診療 -
STEP2
人工授精
保険診療 -
STEP3
ART
(高度生殖補助医療)
保険診療(一部自費)
- 一般不妊治療
- 高度生殖医療
基本的に上記のStep1から治療を始めて、Step2・Step3と進んでいくことが多いです。
しかし検査の結果を踏まえて、Step3から治療を開始するケースもあります。
また不妊治療を望む方にも様々な考え方があり、Step upを望まない方やその時期に迷う方、治療期間を限定して臨んでいる方など、取り組み方もそれぞれです。そのため当院としては、ご本人とパートナーの方に細かくお話を伺いながら治療を進めています。
一般不妊治療
タイミング療法
タイミング療法とは、超音波検査や尿中LH検査等を組み合わせて、排卵時期を見極め、性交渉のタイミング指導を行う方法です。
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01
排卵日の2日前から排卵日までが最も妊娠しやすい時期となります。
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02
性交渉が少ない夫婦には有効となります。
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03
通常の性交渉がある夫婦の場合、妊娠率はそれほど上昇しません。
排卵時期の予測|超音波検査・尿検査
排卵時期は検査によって予測することも可能です。
超音波検査は、排卵日近くに卵胞や子宮内膜の大きさの変化する特性を踏まえて、サイズを測ることで排卵時期の予測に役立てます。
一方尿検査は、黄体形成ホルモン(LH)の分泌量を尿から測定することで排卵時期予測の精度を高めます。
タイミング法 治療目安
年齢によって3ヵ月〜半年を目処に行い、結果が出なければ人工授精、体外受精・顕微授精とより高度な不妊治療にステップアップします。
人工授精(IUI)
人工授精とは、排卵日近辺を狙って子宮内に濃縮洗浄した精子を注入する方法です。
適用するのはヒューナーテスト不良時、精子が少ないと判明したとき、不妊の原因が特定できないときなどです。
苦痛を想像されるかもしれませんが、痛みはほとんどなく、処置は短時間で終了します。
人工授精 治療目安
年齢によって3〜6回を目処に行い結果が出なければ、「体外受精」・「顕微授精」とより高度な不妊治療にステップアップします。
高度生殖補助医療
体外受精
夫婦生活で自然に妊娠することは最も望ましいことです。
しかし現実には、子どもが欲しいと願いながら恵まれないカップルは6組に1組ともいわれています。
不妊症とは結婚して1年間、普通の夫婦生活を送って子どもができない場合をいいます。
結婚して数年経つのになかなか子どもができない、周囲の人がどんどん妊娠して子どもが産まれる、両親から子どもはどうなっているのかと打診があるなどで悩み苦しんでいる方も多く、不妊外来に根気よく通われる人もいます。
しかし中には明らかな原因がないまま1年経っても妊娠できない方や、精子の数が極端に少ない方、卵管が両側閉鎖または癒着して一般的な治療では妊娠が難しい方(難治性不妊症)もいます。1978年に始まった体外受精は近年症例数が増加しており、現在では体外受精や顕微授精によって生まれる子どもが日本の出生数の1割を超えています。
不妊症の治療は、夫婦がともに協力して治療する心構えが重要なのです。
子どもはどの親にとっても何事にもかえがたい宝です。
不妊症治療に携わっている我々にとっても、長年不妊で悩んでみえた方が妊娠して涙を流して喜ぶ姿は、とても感動的でうれしいことです。
不妊症で悩むご夫婦に少しでもお役に立てるように、さらなる努力を続けるつもりです。
体外受精の説明会
必ずご夫婦でビデオを視聴してから説明会の予約をしてください。
説明会にはご夫婦または、パートナーで来院ください。ご希望のお日にちが決まりましたら予約をお入れください。
説明会開催予定
| 日時 | 火曜 12:45以降(12:30受付) 水曜・金曜 19:00以降(18:45受付) 木曜 土曜(月1回程度、不定期のためご確認ください) |
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治療の流れ
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Step01
採卵
妊娠率を高めるために、複数の良質な卵が必要です。排卵誘発剤を投与して卵巣に刺激を与えます。卵巣から成熟卵を経膣超音波ガイド下にて採取します。
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Step02
媒精
受精に適切な環境・培養液の中で、1個の卵に対して5万匹の調整した元気の良い精子をかけ合わせて培養します。
高度乏精子症の方や受精障害がある方などは卵細胞の中に直接精子を注入する顕微授精を行うこともあります。 -
Step03
胚移植
2~3日培養後、受精した卵の分割を確認したのち、受精卵を細かいチューブを使って子宮に戻します。
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Step04
黄体期管理
着床を助けるために、内服薬・膣座薬などで黄体ホルモン(P4)を補充します。
Assisted hatching
(AHA 孵化補助技術)
ハッチングとは孵化、つまり胚盤胞が透明帯を破り脱出することをいいます。
しかし、女性の年齢やその他の要因によって、うまくハッチングが起こらず、着床に至らないことがあります。
当院ではレーザーを用いて、移植胚の透明帯を薄くしたり、小孔を開けるなどの処置を施し、胚の透明帯からの脱出(hatching)を補助(assist)して着床率の向上を測っています。
高濃度ヒアルロン酸を含む培養液
ヒアルロン酸はヒト卵胞液中や子宮内膜に存在しており、胚の保護や胚の着床を補助する効果があるといわれています。
当院では、1回目の移植で妊娠されなかった方に、高濃度ヒアルロン酸を含む培養液を使用しています。
胚の凍結と凍結融解胚移植
体外受精において多数の卵が採取された場合には、多数の良好な胚が得られても多胎妊娠の予防のため、一度に移植する数が限られるので、いくつかの胚が余ることになります。
その余剰胚を無駄にすることなく、凍結保存することによって、後に融解し胚移植をして妊娠することが可能となります。
1回目の胚移植で妊娠した場合には、残りの凍結胚を第2子希望時に移植することも可能です。
また、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)が合併症として起こる危険性がある場合には、受精卵をすべて培養し、胚盤胞に到達した胚を凍結保存して胚移植しないことで、OHSSをできるだけ悪化させないようにします。
顕微授精
顕微授精法(卵細胞質内精子注入法:ICSI)
1992年、卵細胞の中に直接精子を注入する卵細胞質内精子注入法(ICSI)という方法が開発されました。
この方法は、精子の形態や運動機能が不十分でも、先体機能(透明帯を溶かし、進入する機能)を欠いていても受精は可能です。
また、高度乏精子症の場合でも受精が可能です。
適応
- 高度乏精子症(精子数が極めて少ない場合)
- 抗精子抗体陽性(精子の運動性や受精能力を妨げる抗体を持っている場合)
- 精子無力症(精子の運動性が不十分、またはない場合)
- 受精障害(通常の媒精法では受精がみられなかった場合)
- その他、状況に応じて
体外受精・顕微授精の費用
※令和4年4月より保険適用となりました。
| 採卵基本料金 | 9,600円(0個の場合)にA~Dを加算 A:1個7,200円 B:2個~5個10,800円 C:6個~9個16,500円 D:10個以上21,600円 |
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| 受精法 |
●体外受精 ●顕微授精 ※両方実施の場合は、顕微授精代+体外受精代の半分(4,800円) |
| 受精卵培養 | A:1個13,500円 B:2個~5個18,000円 C:6個~9個25,200円 D:10個以上31,500円 |
| 胚盤胞追加培養加算 | A:1個4,500円 B:2個~5個6,000円 C:6個~9個7,500円 D:10個以上9,000円 |
| 胚移植 |
A:新鮮胚移植22,500円 ※AHAを行った場合、+3,000円、高濃度ヒアルロン酸培養液の使用+3,000円 |
| 胚凍結保存 | A:1個15,000円 B:2個~5個21,000円 C:6個~9個30,600円 D:10個以上39,000円 |
※保険適用には制限があります。
年齢制限:治療開始時において女性の年齢が43歳未満であること。
初めての治療開始時点の女性の年齢:40歳未満の場合、通算6回まで(1子ごとに)・40歳以上43歳未満の場合、通算3回まで(1子ごとに)
高度生殖補助医療の注意点
まれに卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、採卵時の出血や感染症のリスク、多胎妊娠、子宮外妊娠、そして年齢による妊娠率の低下が生じます。
自治体の助成事業
2023年4月から岐阜県在住の方は追加の助成事業が始まりました。
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/126449.html
さらにお住まいの市町村によって、不妊治療に対して助成をしていることがあります。詳細は各市町村へおたずねください。
高額限度額療養費制度の利用について
「限度額適用認定証」は、医療機関の窓口での支払いが高額となる際に、所得に応じた自己負担限度額を示すために提出していただく書類です。
従来は、受診前に加入している健康保険へ申請し、事前にご用意いただく必要がありました。しかし当院では、高額療養費制度の利用を希望され、顔認証付きカードリーダー等で同意いただける場合、「オンライン資格確認等システム」を通じて自己負担限度額区分などの情報を取得できるため、事前申請の手続きは不要となります。
